01:berufbaggageのデザインの現場

デザインは頭の中、設計図はすべて手書きで。

この時代、デザインや設計図といえばパソコンを利用して描かれていることがほとんどだが、berufではバッグの仕様書(サンプル製作にお願いする際の設計図)を、すべて手書きで書いている。デザインといえば、アパレルの業界での、いわゆる完成形のイメージを見せるためのスケッチ的なデザイン画(これについては手書きで書かれることも多い)を想像するが、berufの場合、完成形のイメージはデザイナーの頭の中にストックし、デザインのアウトプット(製品に向けての実作業)として、サンプルを作るための設計図、すなわち仕様書からスタートしている。

手書きへのこだわり

時代に合わた製品でありつつも、できるだけじっくりとした時間をかけて、こだわりのバッグを作りたい、その願いを込めて、できるだけ手を動かしてデザインを行う。設計図全体を見渡しながら、シャープペンと消しゴム、定規だけを使って記していく作業を、berufのデザイナーはブランド立ち上げ当初から続けている。デザインでも世の中のことでも、何も問題が無いうちに次々と今風のやり方や、流行りに合わせていくのは、得策では無いことが多いかもしれない。世の中のことが便利になると、何か失うことも必ずあるので慎重になりたいのだ。

仕様書からサンプル製作へ

デザインの全体像や詳細な寸法の設定と共に、膨大な数の生地やカラーサンプルの中から使用する生地を選び、バックル類などの部材を設定。時には同時進行で、ラインナップに無いカラーの発注、さらには新たな生地の提案なども行い、このタイミングで、一つの仕様書に落としこむ。これが完成したら、ようやく縫製職人に製品サンプルを発注するといった流れだ。その後、出来上がったサンプルに対して、実際の使用においてテストを重ね、気になった点などの修正を行い最終形にまで持っていく。時間がかかるものだと製品化に1年以上もかけることも少なくない。サンプルテストや修正の様子は、また別の機会で紹介をする予定だ。まずはberufの製品つくりの初めの工程として、デザイナーの頭の中の構想段階の次は、手書きでスタートすることを知って頂ければ幸いだ。

手書きで書かれた仕様書には、寸法や細かい指示が所狭しに記されている。複雑で手の込んだバッグになると、一つのアイテムで仕様書が数枚にも及ぶことも。

デザイン(仕様書作成)に使用する道具は、わずかこれだけ。ステッドラーのシャープペン一本と消しゴム、そして定規類をいくつか。

生地は常に新しいものをチェックし必要ならば取り入れる。この生地はコーデュラ®ファブリックの表生地に、防水性の高い生地を圧着した軽量な生地。beruf2015年の秋モデルに採用予定。

berufで使用する生地は、耐久性と耐摩耗性に優れた素材として30年以上にわたり世界中でトップクラスのシェアを誇るコーデュラ®ファブリック。カラーも豊富にラインナップしている。

通常用意されているコーデュラ®ファブリックのカラーは原色に近いものが多く、イメージに合う生地が無い場合は新たな色を発注。写真は「ビーカーサンプル」と呼ばれる、テスト染め段階の生地の断片。

2015年の秋モデルで使用予定のリップストップナイロン生地。バッグデザインのエッセンスとして採用している。どこにデザインされるかは、2015年の秋までお待ちを……。

先に紹介した仕様書と、各部分に使用する生地、パーツ類を書き込んだリストを合わせて、サンプル製作をする縫製職人に発注をする。ここでバッグの完成形のイメージが完成し、コストも決まってくる。

デザインから生産までの全ての工程を、日本で一貫して行っているブランド「beruf baggage」の、プロダクツが生まれる最初の現場であるデザインオフィス。“手書き”でのデザイン及び仕様書の製作をするために、ここには大きい机が3つ並び、一人のデザイナーが専有して作業が進められている。

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